ポレポレ先生の実践日記

小学校で教員をしています。日々の出来事、思いを書いています。

子供の嘘に思う。

子供は時として、叱られないようにするためにつく嘘をつく。

教員が「なぜ?」「どうして?」と厳しく問いつめると、自分を守るために嘘をついてその場を取り繕うこともある。

 

 

今日は、3時間目に算数があった。

ある子が前に出てきて「教科書忘れました」と申し出てきた。「ノートはあるの?」と聞くと「ノートはあります」と言ったので特に予備用のノートを渡すことなく授業に入った。

課題に取り組んでいる時に、机間巡視をしていると私が近づくとそっとノートを隠す子がいた。さっきの忘れ物の子である。よくよく見ると、漢字ノートに書いている。

 

私「これ漢字のノートだけど、さっきノートあるって言ってたよね?」

忘「これ、算数のノートです。」

私「表紙に漢字ノートって書いてあるじゃない?」

忘「これは算数のノートです!嘘はついていません。私は、算数と思って使っています。」

 

一休さんかよ…。バレバレの嘘を貫き通そうとする。ここまで頑ななのは、なかなかの意思力だと感心してしまった。

 

私「なるほどな!算数のノートと思えば思えなくもない。ただ、それは無理があるよ。実はノートも忘れたんだよな。言い出せなかったんだよな。」と言って予備用のノートをやった。

 

あとでなんであんな風に言ったのか聞いてみたら、「先週から忘れ物が続いて、怒られると思ったから。」と教えてくれた。忘れ物の量も出来るだけ少なく見せたかった思いがあったのだろう。

 

だから、「嘘は、つくな。嘘をつくぐらいなら堂々と忘れました。と言ってこい。そういう人間の方が私は好きだ。」と伝えた。

 

人間というのは、嘘にウソを重ねてがんじがらめになってしまうこともある。ただ、自分でも気がついているのだ。いけないことだということを。

大事なのは、それを周りの人間がどのように受け止めるかなのだと思う。

そして、素直さを出させるためには、教員側の寛容さが不可欠だと思う。

罪を憎んで人を憎まず。

さあ、この子が明日からどう自分を変えていくのか非常に興味深い。