ポレポレ先生の実践日記

小学校で教員をしています。日々の出来事、思いを書いています。

きいて、きいて、きいてみよう

小5国語(光村図書)の学習のタイトル。

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私は、この学習に照準を合わせてこの一か月を過ごしてきた。この学習が、コロナ禍の学級経営でのターニングポイントになると私は感じていた。

 

この学習は、話し手の意図を考えながら聞き、自分の意見と比べるなどして考えたことをまとめる力を育成することが目的となっている。また、聞き手、話し手、記録者の三つの役割を経験しそれぞれの役割の型を覚える意味合いもある。

しかし、私は、もっと重要な意味があると思っている。そもそも、このようなインタビュー学習が年度初めに設定されているのは、クラスになった友達にインタビューをして自分が知らなかった一面を知ることや、インタビューをされて自己開示することで、クラス全体をより親密にしていく目的があるような気がした。だからこそ、これは戦略的に使っていかないといけないと考えた。

そこで、この学習の呼び水に使ったのが、今までやってきた分散登校中の「メッセージ交流」や「私はだれでしょうゲーム」である。

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 ここには、たくさんの情報が詰まっている。ここから情報をとれば大抵の質問は、容易に作っていける。また、再度メッセージ交流をした時のことを意識化できる。そうすれば、情報のアウトプット化がしやすくなる。

また、今回の学習は、三人一組で1チームなのだが、全員登校が始まって、誰が誰と関わりまた、関わっていないかをデータ化して、それを元にチームを編成した。斜に構えてあんまり女子と関わりをもたない男子連中は、あえて女子二人と組ませるようにした。

 

授業をやっていく中で、聞き手に大事にさせたのが「共感と同意」である。特に共感が大事でうなずきや態度、目線など細部にも共感は出ると教えた。

「相手のことを知ろう、聞こう」「自分の心を開け」そうすれば、形はどうであれできると伝えた。

 

さて、昨日が本番だったのだが、三密を避けるために二会場にした。よって評価がとりにくくなるので両方にカメラを設置しそれを元に評価をとることにした。

今日、それを見返したのだが、とにかくすばらしかった。

どの子も他者意識をもってインタビューしたり、自分のことを話したりしていた。また、マスクのため声が小さくて聞き取れなくても耳をそばだてて一生懸命聞こうとする姿勢が随所に見られ、やわらかい雰囲気が両方の教室から感じられた。

 

振り返りでは、「自分のことをたくさん調べてそれを元にインタビューしてくれたことにうれしさを感じた。」という子や「たくさん話せて仲良くなれた気がした。」「いままで話したことがなかったのでこれから仲良くなれそう。」と書いていた子が一人二人ではなかった。

帰りの会後、一緒に帰ろうと声をかけ合い大勢で帰りだしたり、男女混ざって公園で遊ぶ約束をしたりと一気に輪が広がっていった。

正直、ここまでうまくいくとは思っていなかったが、今までの一か月の取り組みが花が咲いた感はある。

最初の一か月は、クラス作りは及第点だろう。従来のクラス開きと違って本当に困難さの極みだったが、やりきれてよかった。

さあ、来週からは二か月目に突入する。ここからが勝負。軌道に乗せたものをどう上昇させていくか、腕の見せどころだ。