ポレポレ先生の実践日記

小学校で教員をしています。日々の出来事、思いを書いています。

自信とはものすごい

我がクラスには、発達障害の子が数名いる。

その中で伸びが著しいのはNくんだ。

Nくんは、ちょっとしたことでつまずくとすぐに癇癪起こしたり、パニックになったりする。最近は暴れる事はなくなったが7月までは、パニックを起こし教室に入れないことも度々あった。

課題把握能力も低く、理解度も相当低いので四月のテストは、壊滅的だった。

そんなNくんに、進めたのが予習である。Nくんにだけ、算数スキルや漢字スキルをどんどん進めていいよと伝えた。

しかし、もともと勉強嫌いで自信がないので予習に興味を示さない可能性もある。そこで、次のように話した。

「今やっておけば、課題が終わらなくてスキルまで到達できなくても安心じゃない?君にとってかなりのメリットがあるよ。先にやることで貯金を作ってると思ったらすごいことじゃない?」

するとどうだろう。次の日からスキル予習をし始めるではないか。やる問題がなくなったら、自分で問題を作って解き出したり、教科書の補習の問題に取り組んだりと前向きになってきた。

特に算数で顕著だった。

私のクラスでは、授業内容と宿題プリント、授業の冒頭5分で行う復習テストがしっかり連動しているので、記憶に残りやすい授業展開となっていることもあり、Nくんの努力と相まって成績はみるみる上がっていった。

 

しかしそんなNくんにも越えられない高い壁がある。

漢字である。

LD傾向のあるNくんは、漢字の学習がものすごい苦手で、やってもやっても覚えられない。私は、漢字においては、求めすぎもいけないので抑え気味に指導していた。100点満点中0点でも「つぎだ!大丈夫!」、10点、20点のときには「よくやった。がんばった。」と励まし続けた。

そんな彼がついにやり遂げた。本日の都道府県漢字テスト(位置も合わせて解くテスト)で90点をたたき出した。もちろん100点満点中である。

「なぜこれほどまでに頑張れたの❓」と聞いてみたら、「算数でもできるんだから漢字でも絶対できるはずなんだ。だから俺は冬休みがんばったんだ。」と言っていた。

強い自信や強い意志というものは、時には、障害によるハンデすらも超えてしまう。

なかなかお目にかかれるものではないのは確かだ。しかし、続けること歩みを止めないことは必ず大なり小なりいい方向に行く。

私は彼の担任ができて本当に楽しいし、嬉しいと心底思う。