ポレポレ先生の実践日記

小学校で教員をしています。日々の出来事、思いを書いています。

生活習慣の乱れ

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クラスに、中々調子が上がらない子がいる。

朝は遅く、休み時間もボーとして誰ともかかわらない。全くしゃべらない。

その子は、昨年度も受け持っていているのだが、前と大違い。

彼は、自閉症スペクトラムと軽度知的障害をもっているので、クラスになれるのに時間がかかっているのかな?ひょっとして悩み事があるのかな?と考えていた。

比較的本音で話してくれるのだが「どうした?」「元気ないぞ?」と聞いてみても「大丈夫。」「心配しなくていい。」と素っ気ない。

いつも、学校でとっているいじめアンケートでも、学校は楽しいに〇をつけているし、悩みがないに〇も付けている。すごく謎で、ここ最近ずっと悶々としていた。

そして、6月30日に事件が起こった。

音楽、外国語、道徳と私が担当していない授業で寝るという暴挙に出たと音楽専科、外国語専科、道徳担当教諭から報告を受ける。

なんといびきまでかいてぐーぐー寝ていたということで、本人に問いただしたが俯いて答えようとしない。

私は、これは家庭で何かあると思い、放課後、保護者にコンタクトをとって今までの詳細を報告すると、すごく驚かれていた。しかし、家では変わった様子はないのこと。むしろ楽しんで学校に行っていると返答が…。

「寝不足気味みたいなので、本日は20時には寝かしてください」と、お願いして電話を切った。

 

次の日、7月1日。彼は絶好調だった。発言はするし、国語の漢字テストでは、初めて90点以上をとるし、友達とは馬鹿話をしてゲラゲラ笑うし、今までの状態と大違い。人違いかというぐらいだった。

放課後に保護者を安心させようと、電話をしてそこで最近調子が悪かった原因が分かった。

彼は、このコロナ休校中、親の目を盗み、夜中に起きてテレビゲーム三昧の日々。その習慣も、学校が開始されてからも直るわけでもなく、ずっと続けて現在に至ってしまったそうだ。私から電話がかかってきて、観念したようですべて正直に話したとのこと。

「私たちも寝ていて全く気が付きませんでした。大変申し訳ありませんでした。ご心配をおかけしました。」と謝られていた。

定型発達の子と比べて、障害を抱えている子は、生活習慣を整えるのは難儀なことだ。特に自閉症スペクトラムの子は睡眠障害をもっているケースも多く聞く。

早くに気が付けて良かったが、このようなケースは決して珍しくないケースだろう。

このコロナ禍では、子どもの心、生活習慣、学習などあらゆるところにダメージを与えた。第二波に備えて、しっかり自律できるように今からしっかり教えておかないといけない。と強く思った。