ポレポレ先生の実践日記

小学校で教員をしています。日々の出来事、思いを書いています。

保護者からの電話

今我がクラスでは、総合的な学習の時間で福祉について勉強している。探究活動1では、車いす利用者さんとの関わりから困り感や、前向きに生きていることを学習した。探究活動2では.、実際に街に出て、車いす利用者さんを始めとする、障害を持っている人たちにとって街は優しいのだろうか?と言うテーマで調べ学習を進めている。

学習もだいぶ進んできたので、子供たち自身の興味の持ったテーマがだいぶ絞れてきた。来月末にある学習発表会に向けて順調に学習が進んでいる。

そして、ここ数日、意欲のある子たちが、放課後に集まって独自に街を調査し始めた。ある子はお店に行き、ある子は公共施設に行く。事前にどんなところに興味を持っているかはある程度把握しているので、私も施設の人たちに挨拶周りをしているのだが、昨日その挨拶まわりから帰ってきたら、ある保護者から電話があった。

内容は、「子供たちが自主的に街を調査すると言うのは安全面において学校はどう考えているのか?もし何かあったら先生は責任が取れるのか?」というもので、かなり激昂されていた。

私は、「あくまでも子供たちが自主的にやってることなので、お家の判断もあります。お家の方が危険だ危ないという判断ということであるならば、させなくても良いと思います。しかし、買い物の行き帰りや、習い事の行き帰り等でもそういったリスクはつきものだと思います。子供同士で遊びに行くことでもありえる話だと思います。大事なのは我々が、きちっとした安全指導をしつけられるかどうかなんじゃないかなと思うんです。ただ、私の考えも軽率でした。」と伝えて電話を切った。

 

私的には、学びに向かう姿勢が育ってきたことに喜んでいた矢先だったので、思いっきり冷水を浴びせかけられた気分になってしまった。ただその保護者が言っていることも一理あるし、無視するわけにはいかない。不安だなと思っている保護者の子に対しては、私が引率するなどのケアするほうが適切だろう。しかしもう一方では、クレームに対して屈した形になるのが私的にはかなりしゃくだった。教員をやるのもやりにくい時代になってしまったと悲しくもなった。

 

そして今日、朝になっても気分は晴れず鬱々としながらクラスに行った。

すると、昨日電話をしてきた保護者の子が、

「先生昨日は大変ご迷惑をかけしました。昨日父さんを説得したので、調査に出かけて良いことになりました。だから大丈夫です。」

と話しかけてきた。

正直、私は驚いてしまった。と同時に、逆になんて私はちっぽけな人間なんだろうとすごく恥ずかしくなってしまった。

そしてその子のまっすぐな気持ちに、応えてあげなければならないなと考えてしまった。

 

放課後、私はその子を含むチームを引率し課外授業へと出かけた。

なんだか、小学校に戻った気分になった。一緒に活動した2時間は、私にとってもかけがえのないものになった気がする。

楽しかった。放課後子供たちとこのように関わるのは、何年ぶりだろうか。

きっかけは保護者からの電話だったが、結果は悪いものにはならなかった。

なんだか今回は子供の前向きな姿勢に助けられた。私もまだまだ修業が足りないなと思わされた出来事となった。