ポレポレ先生の実践日記

小学校で教員をしています。日々の出来事、思いを書いています。

学校管理職がなぜ魅力がないか

前回の話題で、「管理職なりたい小中校の教員、女性7% 男性29%」というニュースを取り上げました。


現職教員でもある私が「なぜ、学校管理職が魅力がないか」を語りたいと思います。


一つ目は、教頭の待遇が悪いということです。

私の勤務校の教頭は、朝7時過ぎにきています。帰りは、夜10時を過ぎることもザラです。1日平均、12時間は、学校にいます。加えて、土日に工事や地域の行事があるとそれに出席しなくてはなりません。また、教育委員会文部科学省などからくる調査も膨大でそれを処理しています。学校の会計も教頭がやっています。PTAの会合、地域の会合も積極的に出なくてはいけません。担任とは、業務がかけ離れているのも嫌がられている理由です。


二つ目は、校長にはなんの権限もないということです。

校長は、偉いと思われていますが、それは学校内でのことです。役所のヒエラルキーと照らし合わせると「課長級」です。全ての人事権は、教育委員会の局長や教育長が握っています。校長は、「本校にこんな人材が欲しい」とお願いするだけです。学校内の人事権は確かにあります。しかし、全てフルに行使できません。ベテランや仕事のできる教員の中に我儘な人がいたら、へそを曲げられると大変なので最大限気を使っています。校長は、取引が上手い人でないと学校はガタガタになります。加えて、校長には最大の役割があります。職員の不祥事の責任を取るためにいるという役割です。メディアで管理職が頭を下げている場面が昨今多いですが、まさにあれが校長の最大の役割と言えるでしょう。


三つ目は、「教師」というものから遠ざかるということです。

教師は、子どもたちがいてこそ成り立つ職業です。教師になった人の多くは、子どもと関わりたい、教えたい、という動機付けで教師を目指した人が多いのです。管理職になるということは、その動機付けから遠ざかるということになります。子どもと関わりたいという気持ちが深い教師ほど、管理職になりません。


四つ目は、転勤が頻繁にあるということです。

教育は、一朝一夕では結果が出ません。長いスパンをかけてじっくり取り組まないと、成果というのが表れにくいです。その司令塔を担う校長、教頭などの管理職は、早くて2年で異動します。これでは、やりたいことも根付きません。この頻繁な異動のために校長のビジョンが発揮しにくい現状があります。結果的に校内の力関係で長くいるベテランに負けてしまうこともあります。

五つ目は、管理職が楽しそうでないということです。

私が関わってきた管理職で、楽しそうに仕事をしている人はあまり多くなかったです。ストレスから、職員に当たり散らす管理職も見てきました。自分が矢面に立ちたくないために、職員を犠牲にする管理職もいました。尊敬できる管理職、モデルになる管理職が少ないことが成り手を少なくしてることに拍車をかけています。


以上ざっと語ってみましたが、細かいところをあげれば、まだまだ言えることがたくさんあります。


教員の組織も制度疲労を起こしています。小手先の改革では、もう対応できないところまできているのです。