ポレポレ先生の実践日記

小学校で教員をしています。日々の出来事、思いを書いています。

運動会について。

運動会について最近こんな記事がでた。


弁当なし、時短運動会に賛否

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6284682


記事では、熱中症対策、共働きやひとり親世帯の増加などの家庭環境の多様化から、運動会の弁当作りなどで生じる保護者の負担を軽減したいという理由と書いてあったが、教員の本音ではないだろう。


私のいた学校でも、時短や運動会の形態を変えた経験があり、競技を減らしたり、1・2年、3・4年生、5・6年生の徒競走の入場をセットにしたりと工夫していた。また、競技時間の割り当ても厳密に決められそれを厳守するように言われていた。また、校庭で保護者と共に児童が弁当を食べるのやめたり(児童は教室で食べる)、場所取りが無しになって立ち見になったりした。


さて、これらの理由も、熱中症対策、個々の家庭に合わせてと配慮するためにも聞こえるが、本音は違う。


1つ目の本音は、運動会自体に練習時間がさけない、準備ができないというものである。


運動会というのは、本番までに入念な準備と練習が不可欠だ。

例えば運動会でダンスを行おうとすると、振り付けを決める→指導のための練習→教本動画撮影→指導と下準備が満載。それが複数競技があると下準備も増える。

また、前回の指導要領の改正により、内容が増え、運動会の練習、準備により他の教科を圧迫する事態になってきた。

運動会があることにより、確実に全単元は一週間以上遅れる。酷いと二週間。これを質を落とさずに取り戻すには相当なテクニックがいる。ここに、苦しんでいる教員が多い。運動会自体が時代にあわなくなってきている。


2つ目の本音は、保護者マナーの観点からである。


以前いた学校の話だが、その地域は、昔ながらの地主の力が強く、古い雰囲気を持つ地域であった。運動会は一大イベント。場所取りは前日の深夜から並び、学校の前で酒盛りでどんちゃん騒ぎで酷かった。校庭での昼食時には、バーベキューコンロを持ち込む家庭、テントを張る家庭などマナー違反が年々目立つようになった。それらのことで、クレームが入り対応を迫られるケースも増加した。また、「熱中症について配慮しろ、校舎内を解放しろ」という意見の増加など、たくさんの意見、家庭に配慮しきれずにパンクした。

結果、場所取り禁止、保護者は立ち見。児童は、教室内でお弁当となった。

手紙でそのことを知らせると、ブーイングも出たが、学校として地域にはそうとう悩まされていたので突っぱねた。そして、運営は楽になった。


学校が、苦境に陥って久しい。もう、地域の要求に応じるのが難しくなってきている。


地域の理解、協力が高まることは、個人主義、権利主義が横行しているため、今後期待することができない。また、多様化などと自分に都合が良い御都合主義者は、増加の一途である。


運動会は、確かに教育的効果が高い。しかし、これによる犠牲が余りにも大きすぎる。


運動会の縮小の流れは止められないだろう。近い将来、かつてあった学芸会のように廃止または、別の運用しやすいと行事に置き換わる可能性もあるだろう。


私自身は、運動会は、廃止にして良いと考えている。