9月年度始めには、賛成できない。
最近、ホットな話題が9月入学。つまり、9月を年度始めにするという案が政治家を中心に出てきた。
一見バラ色のように語られる9月年度始め案だが、私は賛成できない。
なぜかというと、9月年度始めは、学習の遅れをクリアにできる最善の策のように言っているが、メリットだけにしか注目されていないからだ。
今年の9月からにするのであれば、準備期間に4ヶ月しかない。学校教育法施行規則に、年度始めと年度終わりの日時が明記されているのでそれを改正しなければならない。また、改正したら4~8月生まれの子と、9月~3月生まれの子が同級生ではなくなってしまう可能性が高い。加えて、施行規則改正は有識者会議や中教審答申を経なければならない。果たしてコロナ対応で揺れている文科省がイニシアティブを発揮できるのだろうか?
たった4ヶ月で社会構造を変えることができるのだろうか?
産業界や経済産業省と連携して話を詰めることができるのだろうか?
はっきり言おう。今まで迷走し続けてきた文科省に、そんな力はない。
私は、そこまで多大なリソースを割くよりも、オンライン教育を迅速に導入することに力を集中した方が良い。あれもこれもできるはずがない。
大事なのは不測の事態に対応できるように、環境を整備することではないのか?
9月にコロナが沈静化する保障は、どこにもないのだ。
9月年度始めにして、また同じことが起きたら今度は4月に戻すのか?
時期をずらすことは、考えているようでいて考えられていない。それこそ目先だ。
問題の本質を見誤ってはいけないと、声を大にして言いたい。課題は、足元にある。