ポレポレ先生の実践日記

小学校で教員をしています。日々の出来事、思いを書いています。

技術と指導力

「クラスが荒れているのは教員の指導力不足のせいである。」と言う人が多くいる。実際にベテランの教員が、初任者や若手の教員に対して助言や説教している場面を見るとたびたび指導力不足と言う言葉が垣間見える。

私は、その言葉を聞くたびに、「それは乱暴な言い方だな」と感じてしまう。

指導力不足と言うのは何を持って指導力不足と言うのだろうか? 授業力なのだろうか?人間性なのだろうか?それともその人が持っている雰囲気なんだろうか?

ベテランの中にも、授業が壊滅的にひどい人がいたり、人間性的にどうしようもない人もいる。若手の中にも、子どもが「話を聞かなくちゃいけないな」と思わせることのできる人もいる。指導力不足と言うのは、若手だから多い、ベテランだから少ないと言うものでもない。

私は、この問題は、指導力不足という言葉で片付けられるべきではないと考えている。これらの問題の根幹は、伝え方の技術不足と見る方がしっくりくる。

問題のある同僚のクラスに入ってみると、伝えようとはしているんだけど、あんまり伝わってないなぁっていうことが見受けられる。また、たくさんいろんなことを言いすぎて子供たちが訳が分からなくなってしまっているケースも存在する。

だから、私は、教員の伝える力つまりデリバリーの能力を向上させることが、これからは教員として生き残って行ける重要なファクターなのではないかと強く感じている。

学級が落ち着く落ち着かないの約9割は教員の伝え方だ。

学級が落ち着かないと感じたならば、自分の伝え方を見つめてみることが、安定させる近道になりえる。

ぜひ自分の授業、何気ない話などを録音して聞いてもらいたい。きっと新たな発見が、見えるはずである。