旅立つ
姪が旅立った。3週間前の出来事。
日に日に呼吸が弱まり、最後は眠るように逝ってしまった。
暖かった肌が、重く冷たかった。寝る姿は、戦いを終えた安らかな姿だった。
難病をもって、この世に生まれてきたが、友達に愛され、支援者に愛され、たくさんの人に大切にされた人生だった。
弔問の方が、ずっと途切れない。みな、名残惜しそうに帰っていかれた。
妹夫婦や母の悲しい顔もそうだが、弱音を吐かない父が、「もう会えないんだな。寂しくなるな。」と涙目で呟いた一言に未だに胸が締め付けられる。
子を失う悲しみ、孫を失う悲しみ。私が感じているものよりはるかに重い。
そんな、妹夫婦や父母に、いったい私は何をしてあげられるのかと自問自答の日々。