発達検査法について知識を深めてみた① ASD編
発達障害。生まれつき脳の発達に障害があることの総称。幼児のころから症状が現れてくることが多く、対人関係やコミュニケーションに問題を抱えたり、落ち着きがなかったりと人によって症状は様々である。
大きく分けて、自閉症スペクトラム・LD(学習障害)・ADHDの三種類に加えて、チック、吃音などがあげられる。
発達障害についてはよく知っている方も多いと思う。
しかし、発達障害を判断する検査についてはあまりよく知られていないような気がする。発達検査法は、万能なものは少ない。年齢によっても使えるものは変わってくる。保護者が答える記入式なのか、自分で記入する自記式なのか、それとも面接式なのかなかなかの種類がある。
そこで、今回は発達検査法について私が知る限りカテゴリーに分け紹介していこうと思う。
乳幼児期のみ
①M‐CHAT(エムチャット)
対象は、二歳前後。(1歳半~2歳半)保護者に質問する23項目、保健師やかかりつけ医が行動観察して答える5項目で構成。
幼児のみ
①CHEDY(チェディー)
対象は、4歳~6歳。保護者のための幼児用発達障害チェックリスト。5分でチェックできる。保育者が発達障害児、発達が気になる子どもを評価するスクリーニング尺度。
乳幼児期~児童期
①PEP‐3(ペップ3)
自閉症・発達児教育診断検査。エリック・ショプラー博士とTEACCHプログラム研究部で開発。対象は2歳~12歳。用具を使って子どもが楽しんで遊んでいるところを観察・診断。どの文化的背景であっても適用可能。
②CARS(カーズ)
小児自閉症評定尺度。エリック・ショプラー博士とTEACCHプログラム研究部で開発。対象は2歳~12歳。チェックリスト方式。専門スタッフ用、保護者用の二種類がある。
成人まで
①ADOS‐2(エイドス2)
対象2歳~成人(当事者)。5つの年齢帯に対応。対象者の年齢と表出言語レベルごとに合わせることができる。実施時間は40分~60分。半構造化面接で実施。幼児期から対象者本人を面接できるすごい検査。(ほとんどの幼児期を対象としている検査は、回答者は保護者というものが多い)
②ADI-R(エーディーアイアール)
自閉症診断面接。面接法は半構造化面接。対象は保護者。対象年齢は、2歳以上~成人。実施時間は、90分~120分。
③PARS-TR(パースティーアール)
親面接式自閉症スペクトラム評定尺度。全57項目。対象年齢3歳以上。対象者は、母親か主養育者。面接法は半構造化面接で実施。
④AQ‐J(エーキュージェー)
自閉症スペクトラム指数。対象年齢6歳~成人。6歳~15歳と16歳以上の二つがある。6歳~15歳のテストは、保護者による他者評価。16歳以上は自己評価で行う。
対人応答性尺度。対象年齢2歳半~18歳。日常生活での行動検査からASDまで幅広くアセスメントをとれる。学校、病院などさまざまなところで活用されている。スクリーニング、重症度の評価が可能。65項目。4件法の質問紙法。回答者は、対象者の日常をよく知る人。(親・保育者・教員等)
ASDの検査だけでこんだけあるんだと思い驚愕した。
次はADHD編に続く…。