ポレポレ先生の実践日記

小学校で教員をしています。日々の出来事、思いを書いています。

横糸強化月間

学級経営モデルには、様々なモデルがあるが、私は「織物モデル」を採用している。

織物モデルは、学級が縦糸と横糸のバランスで成り立っているという考えである。

教育上の縦糸は、「教員と子どもとの上下関係を基礎とする関係づくり」である。そもそも、学級経営の「経」の字には、「たていと」という意味がある。だから、学級経営での縦糸はおろそかにしてはいけないものである。

しかし、それだけでは不十分。織物には横糸も存在する。

横糸とは教員と子どもとのフラットな関係。また、子ども同士の良好な関係も含まれると思っている。

また、家族では父性、母性というのがあるが、学級も同じで縦糸が父性的、横糸が母性的なものといえる。

さて7月に入り、わがクラスは、学習規律やルールについては一定の成果があったと考えている。話の聞く姿勢も良い、授業準備や給食準備は非常に早い。特に、四時間目の体育から帰ってきても、12時半にはいただきますができるぐらい素早い。

しかし、横糸はどうだろう。自分のことで精いっぱいで他に気を回せないというのも考えられるが、失敗したときのカバーやフォロー、サポート力が非常に弱い。できる子は自分さえできればいいという空気感がなんとなくだがある。また、友達の輪が広がっている子とそうでない子が少しはっきりしてきていて、気になるレベルになってきた。子ども同士の言葉遣いもなれ合いが生じている。

と、いうようなゆるみを多数感じたのだが、これは、横糸が張れていないと私はピンときたのである。そこで、7月は横糸強化月間と銘をうち、取り組みを開始したのである。

取り組み1:係活動の充実

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どこのクラスでも係ポスターを作っていると思うが、ただ飾るのはもったいない、そこで、ポスターの裏に封筒をつけそこにお手紙を入れられるようにした。定期的に頑張っていることや要望などを書く時間を与え、それを係にフィードバックできるようにした。子ども同士の意見の交流や要望をかなえることで、出したほうも出されたほうも充実するので、とてもいい空気感になった。このとき、手紙の書き方はプラスの書き方(批判は、しない)というのを徹底させた。また、係同士のコラボレーション(コラボ活動と私は呼んでいる)をどんどん推奨した。新聞係は、イラスト係に依頼したり、お楽しみ係は、工作係にお楽しみ会で使う道具作りを依頼する場面がみられ、活性化してきている。

 

取り組み2:メッセージ交流の日常化

分散登校中にやっていたメッセージ交流を日常化に取り組んだ。

 

northsearoad.hatenablog.com

 朝、クラスの児童の名前が書かれているメッセージカードを、無作為に1人一枚ずつ配り、帰りに回収するというもの。

1、名前が書いてある子に向けてメッセージを書くこと。その時、テーマは、期待していること(期待感)、凄いなと思ったこと(共感)、ありがとうと思ったこと(感謝)の中から一つ選択すること。
2、名前が書かれている子とその日必ず会話すること(関わり)

の2点を決まりごとして取り組ませたのだが、はじめのうちは、たった一名に書くのに四苦八苦している子。内容も、誰にでも当てはまる星占いのような内容を書いている子が続出した。ここで分かったことは、子どもたちは、人の良い見方を知らないということだ。また、そういったことを表現してきた経験も少ないと思った。

書くポイントや人の良いところの見方を繰り返し教え、最近ではやっと少し具体的に書けるようになってきた。

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 色を分けているのは、書いた日が分かるようにしているためである。また、書き方がなっていない子、文章表現で誤解を招きそうな子については、回収した後チェックして表現を変えるようにうながしている。

 

これらの取り組みで、クラスの交流の幅がかなり広がってきた。7月に入ったときは少々不安であったが危機は脱したといっていいかもしれない。

何事も、日常の積み重ね、継続の重要性は大きい。